目次
東洋医学では夜泣きは5つのタイプに分けられます。
当てはまる項目が多いものがお子さんのタイプになります。チェックしてみてください。
1.夜泣きの5つのタイプ
1-1.胃腸の冷えタイプ【脾寒タイプ】
◆夜泣きの声が高くなったり低くなったりする
◆泣いているが涙は出ていない
◆体を曲げたりうつぶせになりたがる
◆顔色が青い
◆手やお腹が冷たい
◆おっぱいやミルクをあまり飲まない
◆うんちがやわらかい
◆唇の色がうすい
対処法→胃腸の冷えタイプ対処法
1-2.熱タイプ【心熱タイプ】
◆夜泣きの声が力づよい
◆明かりをつけると泣き声が強く(大きく)なる
◆仰向けになる
◆機嫌が悪い、ぐずる、動きがはげしい
◆おしっこの色が濃くて量が少ない
◆便秘ぎみ
◆顔色が赤い
◆唇の色が赤い
対処法→熱タイプ対処法
1-3.血の気が少ないタイプ【心血虚タイプ】
◆夜泣きの声がか細くて力がない
◆機嫌が悪い、ぐずる
◆おどおどしてビックリしやすい
◆やせている
対処法→血の気が少ないタイプの対処法
1-4.こわがりタイプ【驚恐タイプ】
◆夜泣きしながら涙が多く出る
◆睡眠中、身体をビクッとさせて突然泣き出す
◆口から泡のようなものを出すことがある
◆唇や顏色が青くなったり白くなったりする
◆泣きながらお母さんにしがみつく
◆うんちが青緑色な時がある
対処法→こわがりタイプの対処法
1-5.胃腸のつまりタイプ【傷食積滞タイプ】
◆夜泣きが時間をおいて繰り返し起こったり止まったりする
◆泣き声が力強い
◆お腹を押さえるといやがる
◆おっぱいやミルクを吐き出す
◆おっぱいやミルクを飲みたがらない
◆便秘またはすっぱいにおいのする未消化便
対処法→胃腸のつまりタイプの対処法
2.タイプ別対処法
2-1.胃腸の冷えタイプ【脾寒タイプ】の対処法
このタイプの夜泣きは、お腹が冷えることで起こります。
【対処法】
・冷たい食べ物、飲み物は控える(室温のもの、あたたかいもの)
・きゅうりやトマトなどの夏野菜、生野菜などは身体を冷やすので避ける
・お茶はほうじ茶に(緑茶は身体を冷やす効果があるので避ける)
・お腹を出して寝やすい子は腹巻やパジャマのズボンに腹巻がついたタイプのものをはかせる
2-2.熱タイプ【心熱タイプ】の対処法
このタイプの夜泣きはお母さんや子どもが辛いものや刺激物、脂っこいもの、味の濃いものを好んで食べている場合に多く見られます。
【対処法】
・辛いもの、刺激物、脂っこいもの、味の濃いものは避けましょう
・チョコレートや甘いものの摂りすぎにも気をつけましょう
・あっさりとした食べ物、飲み物をとるようにしましょう
2-3.血の気が少ないタイプ【心血虚タイプ】の対処法
このタイプの夜泣きは、やせていて身体が弱い子や病気の後で身体が弱っている子に多くみられます。
母乳の場合はお母さんが体調が悪かったり、弱ったりしている場合もあります。
【対処法】
・一回に飲んだり食べたりする量が少ない子は回数を分けて少しずつ
・手をかけた消化のよいものを食べましょう(お母さんも)
・お母さんはレバーやほうれん草、お肉、赤飯やおはぎなどを「血を補う食べ物」を積極的に食べましょう
2-4.こわがりタイプ【驚恐タイプ】の対処法
このタイプの夜泣きは、びっくりしたりこわい思いをした場合に多くみられます。
日中人ごみの中に出かけたり、旅行に出かけたりしていつもと違う刺激が多かった場合にも起こります。
【対処法】
・赤ちゃんや小さい子を毎日のように街中や人ごみに連れて行くのは避けましょう
・旅行や人ごみに行った次の日は、お家でゆっくりしましょう
・テレビも刺激になります。テレビを消して絵本やおもちゃなどで遊ぶようにしてみましょう。
2-5.胃腸のつまりタイプ【傷食停滞タイプ】
このタイプの夜泣きは胃腸がつまって苦しかったり、お腹が痛くなることで起こります。
【対処法】
・泣いたらおっぱいやミルク、となっていてお腹いっぱいなのかもしれません。
・早すぎる離乳食もつまる原因になります。離乳食は歯が生え始めてから始めましょう。
・手足をよく動かすと胃腸の働きがよくなります。ハイハイさせたり手足をよく動かしてあげましょう。
【参考文献:症状による中医診断と治療 下巻,燎原書店】
3.終わりに
いかがでしたか?お子さんにあてはまるタイプの対処法を試してみてください。
お子さんだけでなく、お母さんも同じようにしてください。
親子で治療する必要性についてはこちらから→親子いっしょに治療が効果的
4.それでも夜泣きが治らない時は…
これらの対処法でも改善しない場合は小児はりの治療をおすすめします。
小児はりについてはこちらから→赤ちゃん、子どもの夜泣きには「小児はり」
はりきゅうわくり
建井悦子