小児はりとは?(子どもの治療)

(小児はりに使う道具)

目次

1.「小児はり」とは?

東洋医学の中のひとつの手法として「鍼灸(しんきゅう・はりきゅう)」があります。
鍼灸はWHO(世界保健機構)でも「多くの疾患に有効である」と認められ、海外でも注目されている治療法です。

その中でも、子どもに行う「小児はり」は上の写真のような刺さない鍼を使い、なでたりさすったりして皮膚を刺激することによって、自律神経を調節します。
健やかな成長のため健康増進を目的として行ったり、病気や体調不良の治療法として用いられています。
年齢は1か月~12歳(小学生まで)が対象です。

2.小児はりの歴史

小児鍼治療はいつ頃どのように始まったのかは明らかでないのですが(江戸時代頃と言う説もあり)、小児鍼の発祥の地は関西、特に大阪を中心とした地域であると言われています。

3.小児はりの目的

小児はりの目的は大きく分けて、二つあります。

3-1.健康増進

その昔小児はりが盛んだった頃は、小児はりに来る子どもの2/3は健康管理のためだったとの文献もあります。

定期的に小児はりをすることで心身の安定が保たれ、健やかな成長を促します。

3-2.病気、子どもの困った症状の治療

一例として…

・小児神経症
・疳の虫(イライラ、キーキー言う、泣き止まない)
・夜泣き
・夜驚症
・食欲不振(ご飯を食べない)
・偏食(好き嫌いが多い)
・消化不良(お腹をこわしやすい)
・不眠(なかなか寝ない、夜中目を覚ます)

その他

・風邪をひきやすい
・よく熱を出す
・おねしょ(夜尿症)
・アトピー性皮膚炎
・アレルギー性湿疹
・小児喘息
・気管支炎
・鼻炎
・いびき
・耳下腺炎
・歯ぎしり
・便秘
・下痢
・虚弱体質の改善

など、小児疾患全般に対応しています。

 

<参考文献、参考資料>
長野仁,髙岡裕.(2010)“小児鍼の起源について―小児鍼師の誕生とその歴史的背景―」”日本医史学雑誌,第 56 巻第 3 号,387–414.

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