親子いっしょに治療が効果的

1.子どもだけでなくお母さんも治す

昔、明の時代の小児科の本にはこんな一説があります。

「乳児を安らかに育てるには、まだ病気になっていないときは母親を治療し、すでに病気になった時には乳児を詳しく治療し、また必ずその母親を治すことを忘れてはいけない」

簡単に言うと
「赤ちゃん(子ども)を元気に育てたいなら、病気じゃないときはお母さんを治療する。赤ちゃん(子ども)が病気の時は赤ちゃんの治療もするけれど、お母さんを治すことも忘れずに」

これに基づいて、漢方薬でも「抑肝散」という薬は親子で飲みます。
親子で漢方薬を飲むことを「母子同服(ぼしどうふく)」と言います。

昔の人は長年の観察と経験から、お母さんと子どもは生まれてからも心身ともに強く結びついていていることがわかっていたのだと思います。

2.まずはお母さんが元気に!

育児が忙しくてお母さんはつい自分のことは後回しになってしまいます。しかし「子どもが元気に育つにはまずお母さんが元気なこと」。これが肝心です。

きっかけは子どもの治療のためだったけれど、お母さんも一緒に親子で治療を受けるようになった方も多くいらっしゃいます。
実際、お子さんだけ治療するより親子で治療する方が断然効果があがります。
お母さんも体調がよくて元気だと、イライラしないし育児が楽になりますよ。

3.お母さんは鍼灸治療、お子さんには刺さない小児はり

お母さんには使い捨ての鍼(はり)やお灸を使った鍼灸治療、お子さんには刺さない安心安全な小児はりで親子いっしょに「母子同鍼(ぼしどうしん)」。おすすめです。

 

はりきゅうわくり
建井悦子

夜泣きの5つのタイプ別対処法

 

東洋医学では夜泣きは5つのタイプに分けられます。
当てはまる項目が多いものがお子さんのタイプになります。チェックしてみてください。

1.夜泣きの5つのタイプ

1-1.胃腸の冷えタイプ【脾寒タイプ】

◆夜泣きの声が高くなったり低くなったりする
◆泣いているが涙は出ていない
◆体を曲げたりうつぶせになりたがる
◆顔色が青い
◆手やお腹が冷たい
◆おっぱいやミルクをあまり飲まない
◆うんちがやわらかい
◆唇の色がうすい

対処法→胃腸の冷えタイプ対処法

1-2.熱タイプ【心熱タイプ】

◆夜泣きの声が力づよい
◆明かりをつけると泣き声が強く(大きく)なる
◆仰向けになる
◆機嫌が悪い、ぐずる、動きがはげしい
◆おしっこの色が濃くて量が少ない
◆便秘ぎみ
◆顔色が赤い
◆唇の色が赤い

対処法→熱タイプ対処法

1-3.血の気が少ないタイプ【心血虚タイプ】

◆夜泣きの声がか細くて力がない
◆機嫌が悪い、ぐずる
◆おどおどしてビックリしやすい
◆やせている

対処法→血の気が少ないタイプの対処法

1-4.こわがりタイプ【驚恐タイプ】

◆夜泣きしながら涙が多く出る
◆睡眠中、身体をビクッとさせて突然泣き出す
◆口から泡のようなものを出すことがある
◆唇や顏色が青くなったり白くなったりする
◆泣きながらお母さんにしがみつく
◆うんちが青緑色な時がある

対処法→こわがりタイプの対処法

1-5.胃腸のつまりタイプ【傷食積滞タイプ】

◆夜泣きが時間をおいて繰り返し起こったり止まったりする
◆泣き声が力強い
◆お腹を押さえるといやがる
◆おっぱいやミルクを吐き出す
◆おっぱいやミルクを飲みたがらない
◆便秘またはすっぱいにおいのする未消化便

対処法→胃腸のつまりタイプの対処法

2.タイプ別対処法

2-1.胃腸の冷えタイプ【脾寒タイプ】の対処法

このタイプの夜泣きは、お腹が冷えることで起こります。

【対処法】
・冷たい食べ物、飲み物は控える(室温のもの、あたたかいもの)
・きゅうりやトマトなどの夏野菜、生野菜などは身体を冷やすので避ける
・お茶はほうじ茶に(緑茶は身体を冷やす効果があるので避ける)
・お腹を出して寝やすい子は腹巻やパジャマのズボンに腹巻がついたタイプのものをはかせる

2-2.熱タイプ【心熱タイプ】の対処法

このタイプの夜泣きはお母さんや子どもが辛いものや刺激物、脂っこいもの、味の濃いものを好んで食べている場合に多く見られます。

【対処法】
・辛いもの、刺激物、脂っこいもの、味の濃いものは避けましょう
・チョコレートや甘いものの摂りすぎにも気をつけましょう
・あっさりとした食べ物、飲み物をとるようにしましょう

2-3.血の気が少ないタイプ【心血虚タイプ】の対処法

このタイプの夜泣きは、やせていて身体が弱い子や病気の後で身体が弱っている子に多くみられます。
母乳の場合はお母さんが体調が悪かったり、弱ったりしている場合もあります。

【対処法】
・一回に飲んだり食べたりする量が少ない子は回数を分けて少しずつ
・手をかけた消化のよいものを食べましょう(お母さんも)
・お母さんはレバーやほうれん草、お肉、赤飯やおはぎなどを「血を補う食べ物」を積極的に食べましょう

2-4.こわがりタイプ【驚恐タイプ】の対処法

このタイプの夜泣きは、びっくりしたりこわい思いをした場合に多くみられます。
日中人ごみの中に出かけたり、旅行に出かけたりしていつもと違う刺激が多かった場合にも起こります。

【対処法】
・赤ちゃんや小さい子を毎日のように街中や人ごみに連れて行くのは避けましょう
・旅行や人ごみに行った次の日は、お家でゆっくりしましょう
・テレビも刺激になります。テレビを消して絵本やおもちゃなどで遊ぶようにしてみましょう。

2-5.胃腸のつまりタイプ【傷食停滞タイプ】

このタイプの夜泣きは胃腸がつまって苦しかったり、お腹が痛くなることで起こります。

【対処法】
・泣いたらおっぱいやミルク、となっていてお腹いっぱいなのかもしれません。
・早すぎる離乳食もつまる原因になります。離乳食は歯が生え始めてから始めましょう。
・手足をよく動かすと胃腸の働きがよくなります。ハイハイさせたり手足をよく動かしてあげましょう。

【参考文献:症状による中医診断と治療 下巻,燎原書店】

3.終わりに

いかがでしたか?お子さんにあてはまるタイプの対処法を試してみてください。
お子さんだけでなく、お母さんも同じようにしてください。
親子で治療する必要性についてはこちらから→親子いっしょに治療が効果的

4.それでも夜泣きが治らない時は…

これらの対処法でも改善しない場合は小児はりの治療をおすすめします。
小児はりについてはこちらから→赤ちゃん、子どもの夜泣きには「小児はり」

 

はりきゅうわくり
建井悦子

赤ちゃん、子どもの夜泣きに「小児はり」

夜泣きをがまんしないで

赤ちゃんが夜中に何度も泣いて目を覚ましたり、なかなか泣き止まないと困りますよね。

夜泣きは病気じゃないから病院の先生にも相談できない。誰かに話しても「赤ちゃんが夜泣きするのは普通」と言われる。がまんするしかない…。そう思っている方がほとんどではないでしょうか。

いえ、夜泣きがあるのは普通ではありません。

本来赤ちゃんはお腹がすいていたり暑い寒いなど不快でないのならば、機嫌がいいものです。「夜に赤ちゃんが泣き止まなくなる原因」を解消すれば夜泣きは治ります。

夜泣きの対処法

夜泣きを自分でなんとかできる方法が知りたい!という方は、こちらでお子さんの夜泣きのタイプをチェックしてみてください。→夜泣きのタイプ別対処法

夜泣きには「小児はり」

昔から、子どもの夜泣きや疳の虫(かんのむし)、おねしょなどには「小児はり」という治療が行われていました。

今は知らない若いお母さんも多いかもしれませんが、小児はりはここ関西、特に大阪を中心とした地域が発祥と言われています。

おばあちゃん世代の方に聞いてみると「ああ、知ってる!」という方も多いはずです。

「小児はり」ってどんなもの?


当院の「小児はり」は針といっても、ささらない先の丸い棒のようなもので赤ちゃんの肌をさすったりこすったりします。

まったく痛みはありません。むしろ気持ちよくて、慣れた子は「やって~」と自分から来るくらいです。

子どもの治療、小児はりについて

小児はりセミナー参加者の声

どこでも「小児はり」してもらえば治る?

しかし、ただ「小児はり」をすれば夜泣きが治るわけではありません。

ご家族から話を聞き、身体を診察して、夜泣きの原因をきちんと診断した上で、それに適した小児はりをしなければ効果は出ません。

また、原因の大半は生活習慣やライフスタイルにあります。その原因を見つけ出し改善しなければ夜泣きは治りません。

そのため、当院では初診の時は問診、触診、検査などの診察をしてから治療をし、その後生活面で気を付けてもらいたいことを説明するので、1時間半~2時間程度時間がかかります。(2回目からの治療時間は15~20分程度です)

「小児はりをしたから治る」のではなく、「きちんとした診断の元、治療をし生活習慣を改善するから治る」ことがポイントです。

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はりきゅうわくり 建井悦子